GIGA端末導入元年、見えてきた課題
児童生徒は学習効率、先生は授業方法について困りごとが多いことが明らかに

2021年9月22日: 株式会社教育ネット(神奈川県横浜市都筑区 代表:大笹いづみ)はICT教育の勉強会を5月下旬に開催した。教職員や教育委員会、ICT教育関連企業などから参加者が集まり、現時点でのGIGA端末導入での困りごとについて意見交換がなされた。 GIGA端末導入での困りごとについて全体では「環境に関する困りごと」が23%と一番多く、続いて「学習効率」12%、「授業方法」が11%、「機能周知」11%、「セキュリティ」8%と続いた。

 

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環境についての困りごととして、「WiFi ルーターが混むと動きが遅い」などの声や「YouTube で優良なビデオ教材があるが、フィルタリングで全て見られない」、
「先生側と生徒の権限が違い、生徒が見られないサイトがあった」など利用制限に関する意見もあがった。

 

・児童生徒・先生の困りごとについて

児童生徒の困りごとでは、「環境」24%に続いて「学習効率」21%、「授業外利用」17%が多く、「モラル」9%と使い方に関する困りごとが多いことがわかった。
また、先生の困りごとでは、「環境」に続き「授業方法」が 16%を占め、多くの先生がどのように授業をしたらよいのか困っていることがわかった。

 

グラフ2

 

児童生徒の困りごとの特徴的な意見は、
「学習効率」に関しては「授業中に関係のないことを調べる子が出てくる」、「導入アプリやサービスの機能を駆使してチャットを児童間で行ってしまう」などの意見があがった。
「授業外利用については」、「夜、保護者が寝た後、GIGA 端末でずっと Youtube を見ている」、「持ち帰った端末を時間制限なく使っている」、「ドリルなどの学習コンテンツを用意していないので、自宅で活用できない」などの意見があった。

先生の「授業方法」の困りごとは「ツールだけ有っても活用が難しい」、「わかりやすいマニュアルがない」、「教師のスキルに差があり,授業での活用方法に差がある」などの声があがった。

 

・学校・家の困りごとについて

グラフ3

 

学校の困りごとではやはり「環境」についてが多く、「クラス数に対して電子黒板が少ない」、「大型テレビに接続しても、音声が出ない」などハード面で問題を抱えていることが伺える。
また、「モラル」に関する困りごとも 9%と多く、「生徒が他の生徒になりすましてログインし、いたずらをする」、「活用することばかりが優先になって、情報モラルの指導がなかなか進んでいない」などの意見があがった。

家の困りごとでは、「環境」に続いて「学習効率」15%、「授業外利用」13%が多く、「学習効率」では「サボっていても気づかれないので遊んでしまう」などの困りごとがあがった。

また、これから懸念される心配事として、「著作権や個人情報に関する問題、長時間利用による健康被害」、「AIがもたらす人間的思考の欠如」、「デジタルタトゥーについての理解」、「性犯罪に繋がるような事例の撲滅」、「依存にならないための使い方について」、「禁止ではなく教育が必要」など様々な意見が提示された。